寝酒は危険!睡眠の質が上がらないと意味がない!
今日も忙しい仕事を終えてやっと念願の就寝。なのに頭が冴えて全然眠れない。明日も朝から仕事だっていうのに、睡眠時間がどんどん減っていく・・・。
そんなときにお酒を少し飲んでみたら、意外なほどあっさりと眠れたという経験はありませんか?
すんなりと眠れますし、何より「美味しい」ですから、1度味を覚えたら何度も繰り返してしまう方が多いです。
しかし、これは快眠にとっては逆効果です。
もしかしたら「いやいや、お酒のおかげでよく眠れてるよ?」と思われるかもしれませんね。そう思うのも無理ありません。だって、実際にお酒のおかげで寝つきが良くなるのですから。
しかし、アルコールは睡眠の質を下げてしまいます。私達の睡眠は疲労回復や知識の定着が目的ですから、睡眠の質が低いと困ります。単に眠れれば良いという問題ではないのです。
[titled_box color=”white” title=”睡眠の質とは?”]睡眠の質とは、眠りの深さのことを言います。浅い眠りは脳が休まらないばかりか、成長ホルモンや各種ホルモンが分泌されにくいため、身体にさまざまな不調をもたらします。また疲労回復速度が遅いため、長時間の睡眠を必要とします。一方で、深い、質の良い睡眠は各種ホルモンがしっかりと分泌されるため、精神の安定や美肌効果が期待できますし、短い睡眠時間で回復できることが特徴です。[/titled_box]Contents
なぜ寝酒が流行っているのか?
ではなぜ寝酒をする方がたくさんいるのか?と言いますと、そこには文化的な背景があります。まだ科学が発展していない時代は目に見える「眠れたかどうか?」だけに着目して、「睡眠の質が高いか?」に気を配ることができませんでした。
だから安易に「お酒を飲めば、簡単に眠れる!」と思われたまま、長年眠りのためにお酒が使われてきました。
寝酒に頼る風習は世界中にあります。
寝酒文化
欧米では、寝酒のことをナイトキャップと呼び、一般的な風習となっている。
また、日本でも不眠症の解消を目的として寝酒を飲む人が、不眠に悩んでいる人の30%に至る。https://ja.wikipedia.org/wiki/寝酒 より
また、聖マリアンナ医科大学の長田賢一ストレスケアセンター長によると、「日本人は不眠になったときにお酒に頼る傾向が強い」とおっしゃられています。日本人は不眠で病院に行く人はほとんどおらず、多くの方がお酒の力に頼ろうとします。
寝酒で寝やすくなる3つの理由と、それらが睡眠の質をさげる理由
1.アルコールによって身体が熱くなるから眠れる
「人間は氷点下の中だと眠くなってきて、そのときに眠ると死んでしまう。」という話を一度は聞いたことがあると思いますが、人間は体温が下っているときに眠気を感じます。そして体温低下が急激であるほど、強い眠気を感じます。
お酒を飲むと血行が良くなって体温が上がりますよね。そこから通常の体温に戻るときに「体温低下」があるため、眠くなるのです。
しかし、お酒の力を借りて眠ったときには、「ノンレム睡眠」が浅くなることがわかっています。ノンレム睡眠とは、脳の睡眠のことです。脳のエネルギー補充や疲労回復、成長ホルモンの分泌などがされるので、非常に重要な睡眠です。
ノンレム睡眠が浅くなることは、まさしく睡眠の質を下げることにあたり、寿命に短縮や肌状態の悪化、睡眠時間の長時間化の原因となります。
2.アルコールの利尿作用で目覚めてしまう。
アルコールには利尿作用があります。ですので寝る前にお酒を飲むと、睡眠中に尿意を感じますから、脳は起きているが身体が眠っている「レム睡眠」のときに、目覚めてしまう恐れがあります。
尿意で目覚めたからにはトイレにいかざるを得ませんが、そのせいでより脳が活性化し、再び眠りにつきにくくなります。まだ中途半端に起きたため、ノンレム睡眠とレム睡眠の周期が崩れ、脳の回復と身体の回復のバランスが崩れてしまいます。
すると脳と身体の一方は睡眠過多になってしまうので、起きたときにダルい感じがします。
レム睡眠中に脳では記憶の整理(長期的に覚えておくための儀式)が行われています。ですので新しい仕事を覚えている方や資格の勉強をしている方にとって、レム睡眠の質が下がることは一大事です。
3.アルコールで脳が興奮する。
寝酒をするとアルコールの力で頭がボーっとします。するとなんとなく嫌なことを忘れて、気持ちがよくなりますよね。その感覚のとき、脳神経がアルコールで麻痺して正常に働かなくなっています。この作用を、「アルコールの鎮静作用」と呼ぶこともあります。
ただ、この効果は一時的なものでしかありません。確かに寝つきはよくなりますが、寝ている間に問題が起こります。
問題は2つ起こります。1つは、ノンレム睡眠の割合が多くなることです。私達の眠りには脳の眠りであるノンレム睡眠と、身体の眠りであるレム睡眠があります。これらは7:3くらいの割合で繰り返されていますが、このうちノンレム睡眠の割合が通常よりも増えてしまうのです。
その結果、身体が十分に休まらないために、倦怠感が残る朝を迎えることとなります。
もう1つの問題は、アルコールを取ったときは体温変化や脳神経の麻痺のおかげで眠りやすくなるのですが、約4時間後くらいに脳が覚醒し始めます。
脳が覚醒するとノンレム睡眠が浅くなって回復効率が下がりますし、場合によってはレム睡眠のときに、中途覚醒(夜目覚めること)することもあります。
続けるほどお酒の効果は薄れていく
この通り、睡眠の質が下がる一方で眠りに付きやすくなるお酒ですが、続けていると眠りに付きやすくなる効果まで薄れていきます。
今までと同じ効果を得るにはお酒の量を増やす必要があるわけですが、そうすると肝臓の病気にかかるリスクが高まります。もちろん肝臓がんになる恐れもあります。
また豪飲してからの眠りを繰り返していると、お酒なしでは眠れなくなってしまいます。そして眠れたとしてもアルコールの強力な覚醒作用によって夜中目覚めてしまうわけですから、毎夜気持ち悪さを味わうことになります。
お酒がダメなら、何で眠る?
寝酒が良くないことはわかっていただけたでしょう。とはいえ、寝るためにお酒に頼っていた方が、いきなりシラフで眠れるはずありません。どうやって眠るのが良いのでしょうか?
普段寝酒に頼っていた方には、睡眠サプリメントや、それでも上手くいかない場合は睡眠薬に頼ることをおススメします。
オススメのサプリメントはトリプトファン入りのサプリです。こちらは日中にストレスなく元気にすごすために必要な「セロトニン」、安眠するのに必要な睡眠ホルモン「メラトニン」の原料となる成分ですので、朝夜総合的に眠りのサポートをしてくれます。
良い眠りを得るには睡眠環境を整えるだけでなく、日中に出来る限りストレスなく過ごすことも大事なのです。トリプトファンはそのために役立ちます。
次のページでトリプトファンとそのサプリメントを紹介しています。
>>トリプトファンは睡眠の質の向上にも入眠にも効果的!
ミステリードラマのせいで、睡眠薬やサプリメントに怖い印象を持っているかもしれません。ですが、使い方を間違えなければそれらは安全ですし、お酒に比べればずっと身体に良いものです。
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