夢を見るレム睡眠が長いと疲れが取れない
レム睡眠とは、身体は眠っているけど脳は起きている、いわば「身体の眠り」です。
このときに私たちは夢を見ているのですが、起きたときに「夢をいっぱい見たな~、でもなんか疲れてるような。夢が激しかったから寝た気がしなかったのかな?」なんて思った経験はないでしょうか。
その疲れは、レム睡眠が長かったせいで身体に残っています。この記事では、なぜレム睡眠が長いと疲れが取れないのか、そしてその改善策をご紹介します。
Contents
レム睡眠って何?
レム睡眠(REM sleep)とは、「Rapid Eye Movement sleep」(急速な目の運動のある睡眠)の略語なのですが、名前の通り本当に眼球が動いています。
同居人がいるのなら、まぶたをそっと上に挙げて目を見てみてください。眼球が無造作に運動しています。(レム睡眠中は眠りが浅いので、起きてしまうかもしれませんが。)
なぜ目が運動しているのかというと、すぐそばにある脳がフル稼働しているからです。
レム睡眠中に、脳では記憶の整理が行われています。その日あったできごとを神経細胞として脳の海馬(かいば)と呼ばれるところに書き込み、既存の神経細胞にデタラメにつなげ合わせます。
このような記憶の書き込み中に夢を見るのであり、デタラメに記憶をつなげ合わせているからこそ、夢では現実ではありえないような出来事が起きるのです。
レム睡眠の他にも、ノンレム睡眠と呼ばれる「脳の眠り」があります。混同しないよう、レム睡眠とノンレム睡眠の違いをまとめておきます。
- レム睡眠 :目が運動する、呼吸や心拍が不安定、血圧が不安定、自律神経が不安定、脳が活動、身体は睡眠中
- ノンレム睡眠:目が運動しない、心拍が減る、血圧が下がる、脳が睡眠中、身体は活動
人は1回の睡眠で30回以上寝がえりをしますが、それらは身体が活動しているノンレム睡眠中に為されます。それに即して、「レム睡眠は目玉の寝がえりだ」と面白い表現をしているサイトがありました。
レム睡眠が長いと疲れがとれない
脳は現在コンピューターで再現不可能なことを簡単に成し遂げてしまう超ハイテクなスーパーコンピューターです。ですから睡眠では脳を休ませることが重要です。
しかし、レム睡眠中は脳は活動しているせいで、最も重要な脳の回復ができません。脳を休めたければ、レム睡眠ではなくノンレム睡眠の質を上げ、長くしなければならないのです。
また、レム睡眠中は眠りがあさいために、目を覚ますことが多いです。目を覚ます原因としてよくあるものを紹介します。
- 尿意
- 生活音
- 動物の鳴き声
- 話し声
- 雷など
- エアコンの室外機
レム睡眠中はこういったちょっとした音でも目を覚ます恐れがあります。目を覚ましてしまうと睡眠時間が減りますから、よりいっそう疲れが取れなくなります。
レム睡眠は通常どのくらい?
レム睡眠とノンレム睡眠のセットは約90分周期で繰り返されており、レム睡眠は約20分、ノンレム睡眠は約70分です。
ノンレム睡眠のほうが重要であるため、レム睡眠が長くなると、足りないノンレム睡眠を補うために睡眠全体の時間が長くなります。
では、どうやってレム睡眠の長さを測る?
しかし、私たちにはノンレム睡眠とレム睡眠を自分で知る術はありません。脳波を見れば簡単にわかるのですが、家庭で簡単にはできませんよね。どうやってレム睡眠が長いかどうかを確かめたらいいのでしょうか?
簡単にできる具体的な方法を3つご紹介します。
1.睡眠中の動画を取っておく。
寝ている間の自分の顔をビデオカメラに保存しておきましょう。三脚で固定しておけば、簡単に録画することができます。
眼球の動きが大きい方の場合、まぶたがわずかに運動するのでレム睡眠かどうかを判断できます。寝がえりしたときを考えて、左右2つのビデオカメラを用意しておくと良いでしょう。
2.レム睡眠中に行動しているか?を確認
レム睡眠中に無意識に行動してしまう方がまれにいらっしゃいます。「夢遊病」とも呼ばれますが、そのような症状がある方は、レム睡眠が長いと考えていいでしょう。
加齢の関係で睡眠ホルモンが減ってくる50代以上の男性に多い症状です。
3.夢を見た回数を覚えておく
多くの方の睡眠時間は6~8時間ほど。つまり4~5回のレム睡眠の中で、同じ数の夢を見ています。しかし、なぜ私たちが夢を覚えていないのかというと、ノンレム睡眠でグッスリと眠っている間に忘れてしまうからです。
覚えているとしても、最後に見た夢ひとつくらいでしょう。
しかしノンレム睡眠が短いのであればその限りではその限りではありません。ぐっすりと眠りことがないため、夢を忘れないのです。
つまり、覚えている夢の数が多いほどレム睡眠が長いと考えて問題ありません。
「夢をいっぱい見たな~、でもなんか疲れてるような。夢が激しかったから寝た気がしなかったのかな?」なんて経験がある方は、レム睡眠が長かったからこそ夢をたくさん覚えており、疲れが残り寝た気がしないのです。
どうしてレム睡眠が長くなる?
レム睡眠が長くなるのは、基本的にノンレム睡眠が短くなっているから、つまり睡眠の質が落ちているからです。
睡眠の質が落ちる原因は、次のようなものです。
- 1.遅い時間にコンビニへ行く
- 2.カフェインを摂取しすぎる
- 3.冷たい水を飲む
- 4.お酒を飲む
- 5.夜中に食事する
- 6.激しい運動をする。
- 7.激しく歯磨きをする。
- 8.熱いお風呂に入る
- 9.寝る前に考えごとをする
- 10.スマホ(携帯電話)の画面を見る
寝る前のスマホやテレビなどはあなたもやりがちではありませんか?私も仕事の関係でせざるを得ないときがありますが、やはり睡眠の質の低下を実感します。
睡眠の質を下げる原因について、詳しくは次の記事を参考にしてください。
⇒寝れなくなる!睡眠の質を下げるダメな10の習慣
ストレスもレム睡眠に大きく影響する
ただ、現代の日本人については精神的ストレスによる影響も大きいでしょう。現代は会社員の扱いが本当にひどく、ロクに睡眠もとれない方もいらっしゃいます。
そんな中で職場いじめや追いやりが横行するわけですから、自分のおかれた環境次第でストレスは尋常でないものとなるでしょう。
レム睡眠は寝ている間に記憶の整理をするわけですが、精神にストレスがかかったときほど記憶の整理に時間がかかります。嫌な感情を含んだ記憶を割り切るのは難しいようで、レム睡眠が長くなる傾向にあります。
そのおかげで精神が安定した状態で目覚められるのですが、睡眠の質は落ちるため疲労感が残ります。
もし寝ている間にこの作用でレム睡眠を長くしたくないのであれば、起きている間にストレスを解消するのが大事です。というわけで、お手軽なストレス解消法を3つ紹介します。
1.友達に相談する
「人の不安は相談して共感してもらえると半減する」なんてよく言われます。友達に相談するだけでも気が楽になりますので、すぐに相談するようにしてください。相手が応じてくれるか…と不安に思うかもしれませんが、案外聞いてくれるものですし、あなたも相手の悩みを聞いてあげればお相子です。
その日のうちに友達と飲みに行ってはいかがでしょうか。またTwitterなどのSNSでつぶやくのでも良いでしょう。
2.やる気に化学変化させる
これは私が20代を超えてからはじめた方法です。ストレス原が人である場合は怒り散らすのではなく、努力して差をつけてやることで仕返ししましょう。そうすれば、気分が良いし、結果が手に入るで一石二鳥です。
3.アロマで副交感神経を刺激
アロマにはリラックス効果があります。とくに「酢酸リナリル」という成分が入ったアロマオイルには鎮静作用があるので、副交感神経を刺激してリラックスすることができます。嫌なことでもどうでもよくなることもあります。
アロマオイルについて、詳しくは次の記事を参考にしてください。
[titled_box color=”white” title=”本当は、目覚ましで起きないほうが良い”]外からの音や振動で無理やり起こされないかぎり、人はレム睡眠の間に自然に目を覚まします。尿意で起きるのも、ちょっとした話し声で起きるのも、レム睡眠のときです。とはいえ仕事の関係でノンレム睡眠のときに目覚ましで無理に起きなければならないこともありますよね。しかし、ノンレム睡眠で起きる日々が続くと、寝起きがだるいばかりか、免疫が落ちてウイルスに犯されてしまうことも。朝から夜まで頭がうまく働かないこともありますし、できる限り自然に起きるのが理想的です。うまく起きる時間を調節しましょう。
経験がないと難しく感じるかもしれませんが、自分の眠る時間と、自分に必要な睡眠時間が把握できていれば案外簡単です。試してみてください。目覚まし時計を保険と思えるようになれば、完璧です。[/titled_box]
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