睡眠時無呼吸症候群とは?原因と対策
いびきには、2種類あります。
ひとつは通常のいびき、一時的な鼻づまりや飲酒、疲労などによって気道が狭くなったためのいびきです。こちらは一時的なもので音が小さいので、気にするほどではありません。
そしてもう一つは、「睡眠時無呼吸」を伴ういびきです。とても大きな音が出て、10秒以上呼吸が止まるのが特徴です。
放置していると様々なトラブルや病気の原因となるので、安易に考えないで、早めの解決が大事です。睡眠時無呼吸症候群の原因と対策についてご紹介します。
Contents
2タイプのいびき
冒頭で「いびきには2種類ある」とお伝えしましたので、その2つが何かをご説明します。
1.単純ないびき
鼻づまり、飲酒、疲労、風邪、花粉症など、一時的な原因によるいびきです。ちょっとした原因ですので、解決はわりと簡単です。
たとえば鼻が詰まって口呼吸になると、口が開いくせいで舌が喉に落ちます。すると舌が邪魔で気道が細くなるため、変な音がし始めます。それがいびきの正体です。
また大抵の場合、他人が目を覚ますような大きな音は鳴りません。しかし、寝不足や集中力低下につながるので早めに解決したほうが良いでしょう。
このような一般的ないびきの原因と対策については、次のページを参考にしてください。
>>放置は危険!いびきの8つの原因と解決策
2.睡眠時に無呼吸になるいびき
まさに「睡眠時無呼吸症候群」のことで、単純ないびきと違って非常に大きな音が出ます。放置していると病気や事故の原因になるため、早めの解決が大事です。
睡眠時無呼吸症候群とは?
とても大きな音が出てうるさいばかりか、10秒間以上呼吸が止まります。見ている側からしても恐ろしく、「死んでしまったのでは!?」と思いドキッとして頭が冴えて眠れなくなったケースが後を絶ちません。
また睡眠時無呼吸症候群は睡眠へ悪い影響をもたらします。呼吸が止まってしまうと危機を感じた脳が目を覚ましてしまうため、眠りが浅くなります。
それも毎日、毎夜数回あるわけですから、眠りの質低下への影響は計り知れません。睡眠の質が下がるとさまざまな問題がありますので、きちんと解決しておきたい問題です。
睡眠時無呼吸症候群による病気
睡眠時無呼吸症候群では、次のような病気を併発する恐れがあります。
- 脳の覚醒による睡眠不足・不眠
- それによる眠気
- 鬱
- 頻尿
- 睡眠中によく目を覚ます
- 集中力が下がる
- いびきによる騒音
- 頭痛
- インポテンツ
- 月経不順
- 糖尿病
- のどが渇く
- 高血圧・心臓病などの生活習慣病
- 動脈硬化・脳卒中
睡眠の質が下がると、新陳代謝の低下、抗酸化物質の減少(つまり老化が早くなる)、集中力の低下などのトラブルが発生します。また睡眠不足は肥満にもつながりますので、脂肪によってさらにいびきが悪化したり、生活習慣病のリスクも高まります。
特に危険なのは30代以上の男性です。めっきり運動をしなくなる方が多いですし、それでいて体系に気を使わなくなりますから肥満体系になりがちです。肥満は無呼吸症候群の原因となるのです。
実際に睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、高血圧や糖尿病を併発している場合が多いですから、「睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病の一種」と考えられる場合もあります。
睡眠時無呼吸症候群には2つの原因がある
1.単純ないびきの悪化(閉塞性睡眠時無呼吸)
「閉塞性睡眠時無呼吸(へいそくせいすいみんじむこきゅう)」は、鼻づまりや、扁桃の肥大化など、軽度だったいびきが悪化して気道を圧迫しすぎたための無呼吸症候群です。
特に多い原因は扁桃の肥大化です。
扁桃腺、口蓋扁桃、アデノイドなどがあまりに大きくなりすぎたために、気道を塞いでいる状態です。通常なら無呼吸になるほどではありませんが、放置して悪化させると無呼吸の原因になります。
気道の圧迫による無呼吸になりやすい方の体系には、たいていは次のような特徴があります。
- 顎が小さい
- 頭が小さい
- 首が細い
- 舌が大きい
- 鼻が曲がっている
- 太っている
- 脂肪が多いが痩せている
そのため身体の小さな女性や、肥満体系の男性が多いです。どちらかというと、男性よりも女性の患者さんのほうが多いです。
2.中枢機能の異常
こちらのパターンは極稀ですが、脳からの呼吸の指示が出ていない場合があります。単純ないびきの悪化とちがって、基本的にはいびきはありません。
心臓が弱い方に多い症状です。こちらはセルフケアで何とかなる領域を超えているため、この記事では扱いません。疑われた場合は病院で診てもらいましょう。
睡眠時無呼吸症候群のセルフケア
「単純ないびき」の原因悪化による睡眠時無呼吸症候群は、次のような対応で改善が可能です。重要なのは、気道を圧迫している原因を改善することです。
1.減量する
首の脂肪が気道を圧迫していると思われる場合には、減量することが重要です。肥満体系の方は要注意。
断食系のダイエットは、精神の安定に必要なセロトニンを減らしたり、それをもとに作られる睡眠ホルモン「メラトニン」の量を減らしてしまい、快適な眠りを妨げます。
ですからしっかり運動をして減量するのが理想的です。朝に運動をすればセロトニンが分泌されやすくなるので、日ごろの元気の源にもなります。
毎朝30分のジョギングに挑戦してみてはいかがでしょうか。朝日を浴びると睡眠ホルモン「メラトニン」が分泌されやすくなるので、眠りの質までも良くなります。
2.横向きで寝る。
横を向いて寝れば、重力で首が圧迫されるのを防ぐことができます。簡単ですが効果的な方法で、これだけで無呼吸を改善できたという方はとても多いです。
クッションや抱き枕を使って、快適な横向き睡眠をデザインしてみましょう。
3.いびき防止グッズを使う
市販でさまざまないびき防止グッズが販売されています。安価で効果的なので、いくつか試してみるのも良いでしょう。
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口閉じテープ、鼻の穴広げグッズ、マウスピースなど色々あります。
おススメは、「驚くほど鼻スッキリ O2アップ」。鼻の穴を広げてくれるので、鼻づまりを防止してくれます。息が出来なくなって口呼吸になっていしまい、喉を傷めることもなくなったので、冬場は特に重宝しました。
他にも「単純ないびき」の原因と対策がいくつかありますので、次の記事を参考にしてください。
⇒放置は危険!いびきの8つの原因と解決策
自分がいびきをかいているか、無呼吸かを確かめるには?
こればかりはレコーダーやビデオカメラを使う他ありません。ただ、睡眠時無呼吸症候群の方には次のような症状が頻繁に見られます(原因にもよります)。
- 朝、疲労感が残る
- 起床時に身体が重い
- 肌荒れがしやすい
- 朝喉が痛い
もちろんこれだけで無呼吸なのかを判断することは不可能です。ただ睡眠時無呼吸症候群だと睡眠の質が著しく落ちるため、可能性のひとつの指標にはなるでしょう。
また口呼吸によるいびきである場合は多いので、喉が痛くなる方は口呼吸になっている可能性が高く、それによりいびき&無呼吸になっている可能性が否定できません。
一番確実なのは他人に診てもらうことなので、家族で診てもらったり、病院で検査してもらいましょう。
[titled_box color=”white” title=”病院では無呼吸症候群でどんな治療をする?”]病院ではまず、単に鼻づまりなどが原因だろうと仮定して、点滴などで楽にします。それでうまく改善しなければ病院で眠って確認してもらい、原因を特定し、改善策を練ります。治療法としては、マウスピースなどの使用や、空気を無理やり送り込んで気道を押し広げる方法が一般的です。病院で診てもらう場合には、睡眠外来や睡眠時無呼吸外来などを探してから行きましょう。専門でないお医者さんに診てもらっても、「分かったふり」をされる可能性があります。[/titled_box]
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